説教#87:「神と共に歩む」
『神と共に歩む 』 聖書 創世記6:9-22、ヘブライ人への手紙11:7 日時 2015年 9月 27日(日) 礼拝 場所 小岩教会(日本ナザレン教団) 【見よ、地は堕落している】 神にとって、この世界は喜びでした。 この世界のすべてのものは神によって造られ、 神によって生命を与えられました。 造られたすべてのものは、お互いに良い影響を与え合い、 お互いに支え合って生きていました。 ですから、神は造られたすべてのものを見つめて言われたのです。 見よ、それは極めて良かった。(創世記1:31) しかし、6章では、それとは全く正反対のことが記されています。 見よ、それ(地)は堕落し、すべて肉なる者はこの地で堕落の道を歩んでいた。 (創世記6:12) 極めて良いものとして造られたこの世界が、今や、 堕落し、すべて肉なる者はこの地で堕落の道を歩んでいました。 ここで「堕落する」と訳されている言葉は、 道徳的な堕落ではなく、大地や町などの破壊や滅亡を表すため、 「破壊する」と訳した方が良いでしょう。 見よ、それ(地)は破壊され(堕落し)、すべて肉なる者はこの地で破壊(堕落)の道を歩んでいた。 (創世記6:12) このように訳してみると、 神が「極めて良い」ものとして造られたこの世界を、 人間が破壊しているという現実を、神が見つめたということがわかります。 喜び、愛すべきものとして造られたこの世界を、 神が愛してやまない人間たちが破壊している。 この現実に、神は心を痛め、悲しまれたのです(創世記6:6)。 愛する人間が神に背き、徐々に徐々に、悪い方向に向かっていく。 神よりも自分を愛し、自分中心に生きる人間の姿。 共に生きる人々と愛し合うよりは、争い合い、傷つけ合い、利用し合う。 そのようなこの世界の現実を見つめることは、 神にとって、心が引き裂かれるような痛みを伴うことでした。 そのような中、神にとっての慰めは、神に従う人がいたということです。 しかし、神に従って生きようとする人は、 ほんの一握りの人々にすぎませんでした。 多くの人々は、神の前に堕落の道を歩んでいたのです。